入れ歯

口元の見た目を補い健康に噛むための入れ歯選び

歯を失うと、お口元の見た目が悪くなったり噛む機能が低下し栄養摂取が阻害されるだけでなく、歯がない状態を放置することで隣の歯が空いたスペースに傾斜し、噛み合わせが崩れる可能性が高まります。結果として顎関節や咬筋、ひいては全身の健康に影響を及ぼすケースも少なくありません。

入れ歯は一度作れば終わりではなく、使っているうちに合わない部分や痛み、外れやすさなど些細な違和感を生じる場合があり、放置することで歯ぐきが傷ついたり、入れ歯が破損する原因になることも。検診やお手入れ方法の指導などを定期的に受け、微調整やリベース（裏打ち）などのメンテナンスによって入れ歯を長く快適に使い続けられるのです。

近年は、目立ちにくい素材や金属を使用しないタイプ、インプラントと組み合わせたハイブリッドな入れ歯など、多様な選択肢が登場し、患者さんのご希望やご予算に合わせた最適なプランが見つけやすくなっています。

当院では、患者さんが快適に使い続けられる入れ歯の製作をめざしており、適切な素材や設計をご提案するほかお口の中の正確な型取りや噛み合わせの分析、調整を丁寧に行っています。また、仕上がりだけでなく「見た目がどうしても気になる」「入れ歯が外れやすく、人前で話すのが不安」といった心理的な不安にも寄り添い、フォローアップ体制も整えています。

入れ歯以外の治療法との比較

失った歯の機能を回復することを「欠損補綴」といい、入れ歯以外にはインプラントやブリッジの3通りが主な方法です。当院では費用に合わせた最良の提案が可能です。

入れ歯

部分入れ歯と総入れ歯の違いは、主に「歯の残存状況」によって使い分けられる点にあります。

総入れ歯

すべての歯を失った場合に使用され、歯ぐきに密着させて装着します。噛み合わせや型取りの精度が重要で、歯ぐきの変化に合わせた調整が必要です。

部分入れ歯

一部の歯が残っている場合に用いられ、残存歯に金属のバネなどで固定します。残っている歯の健康状態が鍵となり、装着前の口腔管理が重要です。

インプラント

ブリッジ

入れ歯治療における当院の3つの強み

目立ちにくさ × 噛みやすさ × スピード実現

従来の入れ歯は、「見た目が気になる」「噛みにくい」「仕上がるまで時間がかかる」という課題を感じられる方も多くいらっしゃいました。当院では、これらの課題を解決すべく、次のような特徴をもつ入れ歯治療を提供しております。

目立ちにくさ

金属のバネを極力見えにくくするノンクラスプ構造や、透明感や色調を調整した素材を採用し、笑ったときにも「入れ歯をしている」印象を極力残さない仕上がりを目指します。

噛みやすさ

精密な型取りと咬合調整、安定性設計を徹底し、ズレやガタツキを最小化。しっかり噛める構造と素材で、食べる力・咀嚼の快適性を追求します。

早くできる（スピード性）

当院では、最新のデジタルデンチャー技術を活用し、初来院から２回目（2週間後）に入れ歯を完成・お渡しが可能になりました。
口腔内を3Dスキャンしてデジタルデータ化し、CAD設計・機械加工を用いて義歯を作製することで、従来の方法に比べて治療期間を大幅に短縮できます。また、完成前に試適用義歯を実際に装着して噛み心地を確かめてから最終義歯を制作することが可能で、微調整の手戻りを減らします。さらに、製作したデジタルデータを保存しておくことで、紛失や破損があった際も迅速に再製・修理を行うことができます。

入れ歯治療と種類

当院では、患者さま一人ひとりに適した入れ歯の製作に取り組んでいます。以下では、その具体的な仕様についてご紹介いたします。

「目立ちにくい入れ歯」の選択肢──ノンクラスプデンチャー

「目立ちにくい入れ歯」：アートス

アートスはノンクラスプデンチャーの中でも審美性と機能性が高く、しっかり噛める入れ歯ですが、さらなる快適性を追求される方のために、当院では「シリコンとの融合」「金属との融合」2種類のオプションをご用意。いずれも、装着感や耐久性の向上を目的としたカスタマイズであり、患者さまのご希望や口腔内の状態に応じて選択いただけます。

【ノンクラスプデンチャー+シリコン】

ノンクラスプデンチャーの裏面にゴムのように柔軟で弾力性のあるシリコン素材を貼り付けた仕様です。従来の入れ歯で「痛みがある」「外れやすい」「しっかり噛めない」といった不満を抱えている方にとって、以下のような利点が得られます。

• 歯肉への圧迫感を軽減し、痛みを感じにくくする
• 硬い食べ物でも噛みやすくなる（シリコンが咬合時の衝撃を吸収）
• 高い吸着性により外れにくくなる

【ノンクラスプデンチャー+金属】

「ノンクラスプデンチャー＋金属」は、金属によって補強を施し、入れ歯のたわみを軽減した仕様です。人体に優しい「チタン」や「コバルトクロム」など、生体親和性の高い金属素材を採用しています。安定性と快適性を重視する一方で、デメリットもあるため慎重な検討が必要なオプションです。

＜主なメリット＞

• 通常のノンクラスプデンチャーに比べて安定性が高く、咀嚼しやすい
• 金属を用いることで薄く製作でき、装着時の違和感が少ない
• 熱伝導性が高く、食事の温度を感じやすいため味覚が向上する

＜考慮すべきデメリット＞

• 金属の使用により、スマイルデンチャーの特長である柔軟性がやや低下する
• 金属分の重量が加わるため、軽さはやや損なわれる

「なんでもしっかり噛める」磁性アタッチメント入れ歯

「磁石＋入れ歯」を組み合わせた「磁性アタッチメントデンチャー」やインプラントを応用した「インプラントオーバーデンチャー」は金属バネ（クラスプ）を使わない新しい義歯技術です。装着時に目立ちにくく、咀嚼時の安定性が高く外れにくい保持機構によって、見た目の自然さと機能性の両立が可能となりました。

「磁石＋入れ歯」の磁性アタッチメントデンチャー

磁性アタッチメント義歯は、口腔内に残っている歯根に金属を装着し、入れ歯側に組み込んだ磁石と吸着させることで固定する義歯です。構造的にシンプルであるため異物感が少なく、自然な装着感を得やすい点も特長です。

磁性アタッチメントは現在、保険適用となっているため、経済的な負担を抑えながら快適な入れ歯をご利用いただけます。

歯科先進国ドイツ製の精密入れ歯「コーヌスクローネ」

コーヌスクローネ義歯は、歯科先進国ドイツで開発された特殊構造の入れ歯です。残存している天然歯に金属製の内冠（被せ物）を装着し、その上から外冠を備えた入れ歯をはめ込む二重構造を採用しています。

高い安定性を備えているため、痛みや咀嚼時の不安定さ、外れやすさといった従来の入れ歯にありがちな問題もほとんど生じません。

「インプラント＋入れ歯」のインプラントオーバーデンチャー

インプラントオーバーデンチャーは、総入れ歯の方を対象とした治療法で、インプラントを利用して入れ歯をしっかりと固定する装置です。

通常、総入れ歯の方がインプラント治療を行う場合、多数のインプラントを埋入する必要があり、肉体的・経済的負担が大きくなる傾向があります。これに対し、インプラントオーバーデンチャーでは必要本数を数本に抑えることが可能であり、治療による身体的負担や費用面での負担を大幅に軽減できる点が特長です。

保険適用の入れ歯

保険適用内で作製する入れ歯は、自己負担額が抑えられる点が魅力で、初めて入れ歯を作る方や費用を抑えたい方にとって身近な選択肢です。

保険適用の入れ歯には、一般的なレジン（プラスチック樹脂）をベースにした入れ歯に加え、磁性アタッチメント義歯も含まれます。レジンベースの入れ歯は、歯ぐきを覆う部分に厚みが出がちですが、適切な咬み合わせとしっかりした設計が施されれば、日常生活を十分にサポートできる機能を得られます。

磁性アタッチメント義歯は、残っている歯根を利用して磁石で固定するタイプの入れ歯で、金属バネ（クラスプ）を使わないため見た目が自然で、安定性も高いという特長があります。保険適用となったことで、より多くの患者さんにご利用いただけるようになりました。

患者さんのお口の状態や残存歯の数によっては、部分入れ歯や総入れ歯など作製すべき種類が変わりますので、その都度細やかな検査とカウンセリングが重要になってきます。

当院は保険適用範囲内であっても、正確な型取りと噛み合わせの調整を丁寧に行っています。患者さんの「外れやすい」「痛みがある」といった不満を極力軽減できるよう、フィット感を高めるための努力を欠かしません。もしご予算や治療内容にご不安がある場合は、遠慮なくご相談ください。

入れ歯の形の違いでも「個性」「あなたらしさ」を表現できます！

皆さんが思われているよりも「歯」には「個性」があり、その方にあった「形態・色」が存在します。その個性を最大限表現することで、理想の口元に近づけることができます。

当院では、患者さん一人ひとりに話を聞きながら、その方の希望や個性をしっかりと把握し、入れ歯を作製しています。

入れ歯治療の費用と保証制度

入れ歯治療の費用は、保険診療か自費診療かによって大きく異なります。保険適用の入れ歯は費用を抑えられる一方で、素材や設計に制限があり、装着感や見た目に物足りなさを感じる場合もあります。
自費診療では、ノンクラスプデンチャーや金属床、インプラントオーバーデンチャーなど、より機能性・審美性に優れた選択肢があり、見た目の自然さや快適さを重視する方に適しています。ただし、費用は比較的高額になる傾向があります。

当院では、患者さんのご希望やご予算に応じて複数の治療プランをご提案し、それぞれのメリット・費用を丁寧にご説明します。必要に応じて分割払いやデンタルローンのご相談も可能です。

アートス

アートスを用いた入れ歯には3年の保証をお付けしています。装着1年未満では負担額なしでの修理・調整を行い、2年未満の場合は30%、3年未満は50%負担いただいています。4年目以降は全額負担となります。

ホールドデンチャー

当院の設備紹介

歯科用CTやデジタルX線などの画像診断機器を活用して患者さんのお口の中の状態を詳細に把握したり、高性能な滅菌装置を導入して院内感染リスクを抑えています。

口腔内スキャナー

口腔内の精密な型採りは3Dスキャナーを採用しています。不快感やリスクがないことはもちろん、入れ歯治療においては歯型のデータ保存できることはメリットの一つです。入れ歯を紛失・破損しただけでなく、さらに歯を失ってしまった場合の増歯といった再加工にも保管データを使って短時間で、入れ歯を複製したり修理することが可能です。

安心・安全への取り組み

ケンデンタルクリニックでは、入れ歯治療を含むすべての診療において、患者さんに安心・安全な医療環境を提供するために徹底した取り組みを行っています。具体的には、治療に使用する器具の滅菌・消毒の徹底、院内感染防止対策、スタッフの手指衛生管理の励行などを常時実施し、清潔な診療環境を保つよう努めています。

また、患者さん一人ひとりの体調や既往歴、アレルギーの有無を十分に把握したうえで治療を進めるために、初診時やカウンセリングの段階で丁寧なヒアリングを行っています。特にインプラントを併用したオーバーデンチャーなど、外科的処置を伴う治療では全身の健康状態や服用中の薬を考慮してリスクを最小限に抑える配慮が欠かせません。

当院では大学病院や専門医との連携体制を整え、必要に応じて専門性の高い診療機関への紹介も行うなど、万全のサポート体制を築いています。さらに、治療方針や費用に関しても、患者さんの納得を得ることを最優先とし、インフォームドコンセント（十分な説明と同意）を徹底しています。

入れ歯の種類や素材、製作工程、アフターケアなどについてわかりやすい言葉で説明を行い、患者さんが安心して治療を受けられるようサポートいたします。万が一、治療後に痛みや不具合が生じた場合でも迅速に対応し、快適なお口の環境を取り戻せるようフォローアップに尽力していますので、安心してご相談いただければと思います。